株式会社キーエンスについて「1.企業体質」「2.職場環境」「3.給料」「4.評価制度」「5.福利厚生」「6.ワークライフバランス」「7.退職理由」の計7項目から、ネット上の口コミや評判を徹底分析して就職転職すべきか考察してみました
1.企業体質
「合理主義」
「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」
日本の会社では珍しく創業時から「実力主義・成果主義」を貫いている会社で、非常に高収益な企業であり、高い利益を得るためのビジネスモデルが確立されているメーカー
ニッチな分野での企画開発を得意としていて、ニッチでも世の中にないものを他社に先駆けて製品化し、それにより高価格な価格設定を可能にし、先行者利益を徹底して「儲ける」ことをすごく得意としている会社
特に営業部門が会社の中でものすごく強い存在になっており、どうやれば売り上げや営業利益を「最大化」できるのか、本社サイド側で徹底した営業マン目線での戦略を立案し、営業マンにはその戦略やメソッドを徹底させることで、非常に高い売り上げ、営業利益や他社との差別化を実現している
「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」という経営理念通り社内業務は全て合理的。非効率・非合理的な社内接待、社内営業はほぼ無い。ひたすら効率的に論理的に売ることを追求し、数字・時間の管理は徹底している。小さなミスもしっかりと追求され、再発がないようにするなど、管理も徹底されている
売上より利益を重要視する。売上を1社に依存するのを好まず、利益の安定確保を好む。景気の変動に対しても、業界国内海外幅広くリスクヘッジしている。売上額ではなく利益に近い数字で管理されるため必然的にコストや営業効率を意識するようになる
利益について徹底して突き詰める文化があり、利益を上げるために営業はじめ開発やはたまた物流といった後方部門でも売上を上げるという同じ認識のもと働く。そのため公私混同や不当な利得、嘘ごまかしなどに非常に厳しい文化があり、分単位で記載する外報のほか、ETCの通過時間整合性チェックや、責任者による客先への訪問確認電話など、他の会社から見れば異常な管理体制がまかり通っている
売れる人のノウハウを言語化展開するスピードが速く、だれでも売れる営業担当になれる。当たり前のことを当たり前にすることを徹底されており、そこの点で他の営業とは一線を引ける
いかに単価高くかつ大量に販売できるかを常に考えながら走る。コストダウンへの意識も高く、営業として学ぶべきことは十分すぎるくらい学べる環境
個の力ではなく組織力で牽引している会社。高い業績にコミットし、団結する力は良い意味で宗教じみている。これほどまでに結晶化された企業はなかなかない
2.職場環境
「新卒と出戻りが中心」
「フラットな組織」
「師弟関係はない」
「私語厳禁」
営業職は新卒か出戻りを中心に構成されている。営業であれば転勤は免れない
社内での情報共有などは頻繁に行われていて、製品がどのような販売方法で売れたか等、全体に共有してチームとして目標を達成していくという方針。社内のライバルを蹴落としていくという感じはない。仕事量が多く、客商売であるためつらいことも多いが、若手が多く、励ましあいながら、楽しく仕事はできる
組織は非常にフラットで、古い会社にありがちな役職者や年上の人のいうことを絶対に聞かないといけないという風土もなく強い師弟関係などはない。若手でも意見をいう機会は与えられよい意見であれば採用される
一方で営業の行動は厳しく管理される。私語厳禁。一日の電話時間、訪問件数、訪問先で何を行ったか等、詳しく報告することが義務づけられている
3.給料
「年収550万・新卒1年目(営業)」
「年収600万・新卒1年目(営業)」
「年収650万・新卒1年目(営業)」
「年収700万・新卒1年目(営業)」
「年収750万・新卒2年目(営業)」
「年収800万・新卒2年目(営業)」
「年収1000万・新卒3年目(営業)」
「年収1200万・新卒4年目(営業)」
「年収1200万・新卒5年目(営業)」
「年収1300万・新卒5年目(営業)」
「年収1480万・新卒7年目(営業)」
「年収1400万・新卒8年目(営業)」
「年収1400万・新卒9年目(営業)」
「年収1800万・新卒11年目(課長)」
給与:基本給(20.5万〜)+残業代+業績連動型賞与
賞与:年4回、夏冬で月給の6倍前後、春秋で月給の3-4倍程度、春夏秋冬の賞与の他に毎月業績連動の業績賞与がある
昇給:年1回
★モデルケース
新卒1年目:年収550-700万
新卒2年目:年収700-800万
新卒3年目:年収850-1000万
新卒4年目:年収1000-1200万
新卒5年目:年収1200-1350万
★クラス別
クラス2:600万前後(新入社員)
クラス3:900万前後
クラス4:1200万前後
クラス5:1500-1700万
クラス6:1800-2200万
クラス7:不明
クラス8:不明
毎月の給料は基本給+残業代+業績賞与の構成。業績賞与は会社業績に左右されるので、毎月給料が変わる
賞与は春夏秋冬の4回と業績連動の賞与が毎月(12回)あり計16回ある。営業利益の一定割合が還元される仕組み。賞与は歩合ではないので、全社の業績が良ければ全員のボーナスが高くなる
万が一会社が赤字で推移した場合、給与は極端に減少するが、ベース自体が他社の給与程度はあるので常に1000万越えが可能
入社3年目までは評価の良し悪しで多少の差はあれども基本的には皆が同じペースで給与があがっていくので、ほっておいても1000万は超える。ただし3年目以降は成績に応じて給料が変化する。うまくいけば3年目で1000万、5年目で1500万も可能。30代半ばで立場によっては2000万を超える人がいる
1度上がったクラスが下がることは基本的にない。基本給よりも賞与部分がクラスによってかなり差がある。日頃の営業の成果がダイレクトに給与に反映されないので基本横並び
4.評価制度
販売金額や達成率といった成果と日々の営業活動を細分化したアクション面(プロセス)の両輪で評価
評価項目は細かく決められており、評価における成果面とアクション面の割合は年に1度の人事考課で決定される
5.福利厚生
社会保険:あり(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)
住宅手当:なし
家族手当:なし
資格手当:なし
交通費:全額支給
退職金制度:あり(日本版401kなど)
その他
借上社宅、社員持株、財形貯蓄など
福利厚生は必要最低限に留まるが、その分給料の良さで還元されてる印象
6.ワークライフバランス
「社用携帯電話持ち帰り禁止」
多くの社員が7時半までには出社している。8時10分に全体朝礼があり、8時半から就業開始となる。定時は17時15分までだが、定時で上がれることはまずない
会社全体で退社時間を早める動きを強化していることもあり、元々残業は9時45分以降禁止であったが社内規定が改訂され、9時以降残業禁止となった。日を跨いでの業務はない
業務時間は1分単位で管理されており、日中は昼の1時間以外ケータイのチェックもできないくらい忙しい
会社携帯の持ち出しが禁止のためメリハリはつけやすい
完全週休二日制(年2回出勤土曜あり)だが、月に1-2回の出勤がある支店もある
有給は3ヶ月に1回、年4回取得できるが、3ヶ月前から申請する必要がある
休日出勤もほとんどなく、年に1-2度あるかないか程度
転勤は多い
GW、お盆、年末年始といった長期休暇は7-10日ほどとれる
7.退職理由
「社歴が上がってもごく一部の役職者(部長以上)や特殊な部署以外は永遠に同じルーティンが続く」
「女性が少なくその中でも同じ営業所の女性上司とうまくやっていかないと続けるのは難しい」
「毎日が一緒。給与以外にモチベーションなし」
「転勤は数年に一度のペースである為、プライベートを諦めなくてはいけない部分が多い」
「業務時間は常に管理されている感覚のなかで集中し続けなければならず、それがきつくなってきた」
「海外営業経験を積みたかった、またマネージメント経験を積みたかった。海外へ転勤できるのは一握りであり営業成績を上げても叶わない。また、機責と呼ばれる課長級であってもプレイングマネジャーであり、完全なるマネジメントは全国で数名のエリアマネジャー(エリマネ)まで昇らないと経験できない」
「自分の頭で考える力が弱くなった。個々人の能力が高いことはもちろんだが、それ以上に組織として完璧な会社なので、自分は歯車の中で回っているのだということを強く痛感。自分でなくても出来ると思ってしまった」
「良くも悪くも突き詰めた会社で、仕事の単調さ、変化のなさ、平日の長い労働時間、頻繁にある転勤、職位が上がるにつれて厳しくなる仕事量とプレッシャー、監視体制、細かいルールは高収益を上げるための裏返し。会社としては素晴らしいが、この中で一生続けて行く気持ちにはなれない」
総評
キーエンスという社名を聞くと経済誌なんかで企業別年収ランキングという特集が組まれた際、常に上位に君臨する超有名企業で、「30歳で墓が建つ」と揶揄されるぐらい業務が過酷なのでは?という意見もあるが、半分正解半分間違いってところだ
そもそも、キーエンスは「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」という企業理念を掲げており、あらゆる場面において合理主義が徹底されている
売上より利益を重視する経営スタイルで2016年3月期連結の売上高営業利益率が53.1%と他を圧倒する強さを見せている
今まで多くの企業をレビューしてきたが、正直ここまで合理主義を徹底し売上より利益を重視する企業は初めてだ
職場環境は上司部下といった上下関係はそこまで強くない印象で、三菱東京UFJ銀行・SMBC日興証券等々の金融系によく見られる「上司絶対主義」「上司の意見に逆らうことはまず無理」といった風土はない
かといって、リクルートスタッフィングのように「上司や先輩との壁を感じることがほとんどない」、スプリックスのように「あだ名で呼び合う」ほど風通しが良い訳ではなさそうだ
営業職の場合、社員は新卒が中心となって構成されているが、私語厳禁で業務は分単位で徹底的に管理されているので、リクルートスタッフィング・リクルートキャリアといったR系の会社やサイバーエージェント・インテリジェンスのように大学のサークルのような雰囲気で「じゃあ、みんなで盛り上げていきましょう!!イェーイ!」みたいな風土とも異なる
給料は抜群に良く、前回考察したSMBC日興証券も新卒入社3年目までは国内企業でトップクラスの待遇と記述したが、キーエンスは3年目で年収1000万を狙えてしまう。しかも、年功状列ではないものの、3年目まではほぼ給与がエスカレーターで上がっていくので、何とか3年間頑張ればほぼ全員が1000万に到達するという驚異的な企業だ
この驚異的な給料を支えてるのが賞与で、春夏秋冬の4回に加え、毎月業績連動型の賞与が基本給以外に付与される。賞与が全く支給されない中小企業や賞与が基本給の1ヶ月分程度しか支給されない企業にお勤めの方からしたら羨ましい限りだろう
評価制度は成果とプロセスの2軸で評価されるが、ゴリゴリの営業会社に珍しく、営業成績がダイレクトに反映される訳ではない。一般的な会社の営業職の場合、営業成績が賞与にダイレクトに反映されるものだが、同社は評価での差はほとんどつかない。つまり、頑張っても頑張らなくても給料に差がつきにくい評価システムだが、給料がそもそも良いので不満が少ないということだろう
福利厚生は必要最低限に留まり、SMBC日興証券のように住宅手当が最大75%支給されたり、三菱東京UFJ銀行やみずほ証券のように月1万円前後で住める寮が用意されてる訳ではないが、その分給料で還元されているといえる
ワークライフバランスは平日の就業時間が平均7-21時なので、平日のプライベートな時間はほとんど取れないが、完全週休二日制なので、土日祝は完全に休むことができる。また、社用携帯は持ち帰り厳禁なので、休日に電話対応する必要もない。持ち帰り残業が当たり前の帝国データバンクの社員からしたら羨ましい限りだろう
働くということについて徹底的に合理主義を貫くマインドが全社員に浸透しているのだが、非効率な作業が一切なく毎日同じ作業の繰り返しのため「飽きてしまう」人も多いようだ
ともあれ、徹底的に管理されたなか、会社の歯車となってがむしゃらに働く覚悟がある方には最高の環境ではないだろうか。まだ、同社で鍛えられたタイムマネジメントや無駄を徹底的に省くスキルは他社でも必ず役立つので、営業のイロハを学べるという意味でもかなり貴重な経験が積めるだろう
日本最高峰の営業会社であることは間違いないので、興味のある方は積極的に挑戦してみることをおすすめする
キーエンスに就職・転職を検討中の方へ
現在、キーエンスに就職・転職を検討中の方へ、就職・転職実績の高いエージェントをご紹介させて頂きます
新卒の方
新卒の方でキーエンスへ就職を希望されてる方におすすめのサービスがMeetsCompany(ミーツカンパニー)です
登録学生は10万人以上、年間3000人以上(2014年実績)が同社のイベントに参加し内定を獲得しています。内定が未だに出てない学生も内定確保済みの学生も利用でき、当日内定を貰えることもあります
全国で開催されるMeets Company主催の企業説明会には、知名度の高い大企業や有名企業が多数ブースを構え、積極的に採用を行っています
実際に同社イベントに参加して内定を得た方はたくさんいますので、まだ参加されたことがない方は是非登録して参加してみて下さい
公式サイト
⇒MeetsCompanyに参加する
キーエンスに正社員として転職希望の方
キーエンスに正社員として転職を希望される方におすすめの転職エージェントが【リクルートエージェント】です
リクルートエージェントは、ホットペッパー、ゼクシィ、R25、SUMMOなどを手がけるリクルートグループの転職サービスで、累計約30万人の方々が利用しています。転職成功実績は業界トップクラスで、毎日多くの方が転職を果たしてます
非公開求人は業界最大規模となる10万件以上で、知名度の高い大企業はもちろん、ベンチャー企業から中小企業まで幅広い業界や業種の求人を抱えてます。求人内容は事前にチェックしているので、劣悪な環境で労働を強いるブラック企業の求人を紹介される心配もありません
登録からキャリアカウンセリング、求人紹介まですべて完全無料でご利用頂けます
登録すると担当者から登録したメールアドレスまたは電話番号宛に連絡がきますので面談日時を設定します。面談当日に本登録が完了したら個別カウンセリングを受けましょう
個別カウンセリングで勤務地や給料など希望条件を伝えると後日適切な求人を紹介してくれますので、もし気になる求人がありましたら応募してみてはいかがでしょうか。内定獲得までキャリアアドバイザーが全力でサポートしてくれますので、安心して転職活動に専念することができます
公式サイト
⇒【リクルートエージェント】